プロフィール支援のイメージ

プロフィール支援は、価値をうまく伝えるための支援の造語です。
コロナ禍前、過去にこのようなことがありました。
展示会に出展するが、うまく商談ができず、見積依頼もさっぱりこないという方がおられ、今年も出展するとのことで、アドバイスを期待されました。
よくある話ですが、展示会には、現物だけを持参され、価値を伝えるツールを、何も有していませんでした。本当はいいものをつくっているのに、ツールなしでは興味をもってもらえません。
売りたいものだけを用意されていたので、糸口をつくる製品を考えました。
すぐに取引きを、という前に、どんなものか試してみたくなるような興味をそそる製品がなければいけません。
糸口とは、文字通り小さな細い線のことです。最初は、小さな取引から始めて信頼関係を構築して、本来、売りたいものを示せば売れます。糸口につながる商品とは、概ね低額で、失敗しても後悔しないリスクの低いものが適しています。
展示会は、バイヤー対象なのでバイヤーさんが興味、関心を持つことがらを選んで説明ツールを作成しました。商談そのものでの取引は増えませんでしたが、欠けていた備えを行ったことで、自社や自社の製品の持つ価値に気づけた結果、地元でたくさん販売できるようになりました。
その結果、コツをつかまれ、さらに次の新製品を開発され、さらに販路が広がっています。
項目にそって、説明します。
・強みの分析
見せる相手の立場に立って何が強みに当るか考えます。
普通に考えたら強みと思えないようなことが強みになることがあります。反対に強みと強く自負していることが、相手によっては、あまり興味を抱いてもらえないものであることも多々あります。
適性評価によって相手を特定することで、他のひとを除外して特定のひとのみが感じる強みを特定することができます。多くが、選定基準に合致する根拠となる特徴が、相応しい強みになるようです。
・価値調査
強みらしきものが見つかれば、相手の興味、関心を深める事実を把握していきます。
どのような言葉で説明すると、より関心が深まるかも考えます。うまい、やすい、はやいの観点から、どこに価値があるのか、相手の立場に立って考えます。
多くの場合、他社製品と比較されます。比較は、判断する側が持つ特有の項目で行われます。価格が安いに越したことはありませんが、価格のみで選定される訳ではありません。どの項目で選定されるかわからないようであれば、戦えないかもしれませんね。
・言葉磨き・検証
言葉磨きとは、1つの価値が、より正しく短時間で相手に伝わる言葉を選ぶことを指します。
1つのことを言葉で表現する場合、使える言葉がたくさんあります。言葉は多すぎていけないし、短すぎてもいけません。過不足がないように調整して、効果が感じられなければ、検証して変更します。
食品であれば、パッケージデザインで言葉が表現されます。限られた面積なのでよさを羅列することができません。限られた数の短いキーワードによる言葉や文章に限られます。これは製造業の企画書や提案書も同じことがいえます。
・展示会出展
最近、相談が増えてきました。展示会に出展するが、取引先が見つからないだけでなく、見積り依頼やサンプル請求にまでも至らないとのことです。
どこに問題があるのでしょうか。私の想定では、相手選びと価値の伝え方に問題が感じられます。備えも不十分のように見受けられます。
不特定手数のひとが来場されるため、接客できる時間も限られます。中には、取引意思を持たないひとも質問されますので、効率を考えなければいけません。
言葉で伝えるのみでは限界があります。就職の履歴書のように、一読して価値が伝わる紙が必要です。自社や商品のプロフィールをうまくまとめることは、とても大切です。
・WEBサイトリニューアル
コロナ禍で、WEBサイトをリニューアルしたことで、大きくチャンスをつかんだ企業があります。
過去に行った強みの分析に基づいてWEBサイトを新しくしたら、その2か月後に、とんでもなく大きなところから、工事用見学の申し出あり、その3か月後から納品が始まったとのことです。強みを正しく伝えることができれば、即効性ある販路開拓につながるようです。
誰もが知る有名小売店でした。はじめは冷やかしと考えられたことでしょう。しかし同社のプロフィールは完璧でした。3年前に行った強みの分析から、言葉に磨きをかけてWEBサイトに掲載されました。
そのサイトは、必要なことが書いてあり、必要ないことは書いていない極めてシンプルなものです。自社の強みを最小限の文字数で説明されています。しかし、しっしり読み手には価値が伝わる、よく練られた奥深い文章です。
・販促ツール
先に説明した展示会出展やWEBサイトの元原稿を作成することと同様です。
展示会やWEBサイトだけでなく、販促ツールは、色々な場面で用いられます。
ちらしやパンフレットのみでなく、店内外の掲示物やダイレクトメールなど、顧客の目に触れるもの、すべてを対象とします。
たった一言が、イメージを大きく変えることもあります。正しく価値が伝わるように、自社の持つ強みを、言葉で表現します。
プロフィール作成の大切なポイント
糸口につながる商品

ひとが試してみたくなると思える商品が必要です。
もちろん、試してみたくなるひともいないひともいるでしょう。ひらめきでアドバイスした新商品は結果的に大ヒットしました。相手から取扱いたいという要望がありました。これまでも何度か取扱いを願い商談したことがあるそうですが、取引には至らなかったようです。
販路開拓は「売る」のでなく、「欲しいひとを見つけること」が、大切だと考えてきました。この商品は、誰が試してみたいと思うかを考えながら、ラベルの一文字一文字に深い意味を持たせています。
「売る」のでなく「試してみたい」「手にとってみよう」と思ってもらうには、商品そのもののよさだけでなく、言葉や見た目も大切です。おいしいものは、他でもつくっています。選ばれるためには、印象を高めることが必要です。
これまでアドバイスはたくさん行ってきましたが、商品の包装まで携わったことはありませんでした。どんな包装が売れるかといわれても、そんな知識は持ち合わせていませんでしたが、私自身が試してみたくなるようにアドバイスしました。
展示会の1か月前に、1本のメールが入りました。3種類候補があり、どれがよいか迷っているとのことでした。私は、その3候補のうち、少しイメージが近いものを選んでデザインに加筆しました。
もっと見識を持ったひとが、時間をかけてデザインしていたら、別のデザインになっていたかと思いますが、短時間で素人だったことがよかったのかも知れません。
商談ツール:商品説明の事例

読み手を意識して作成しました。
商談ツールは、渡す相手によって適していることが大切ですが、ときおりミスマッチを見かけます。ツールは、相手の選別基準を、踏まえて作成しなければ役に立ちません。
名称から始まり、内容量、保存方法、消費期限などは一般的な商談で用いられている商品規格書の項目を参考にしています。読み手が知りたいと思われる項目を記載する必要があります。
その下の説明文は、読み手が第三者にこの商品を説明する場面をイメージしています。短いキャッチフレーズを入れることで、イメージを高めます。
短時間で商品の価値やよさを理解してもらうことはとても難しいと考えています。
たくさんのひとがたくさんのブースを短時間でみて回るという展示会ならではの場で配布するため「相手の印象に残るよう」に、言葉を工夫して作成しています。
文章を作成するとき、具体化と抽象化を念頭においています。ひとことで理解できるのが抽象化。より多くの情報を伝えることが具体化と考え、これを限られたスペースで記載するようにしています。
文章を考え差異にはまず「読み手が知りたいこと」の項目を想定します。項目ごとに短文を考えて、つなげるようにしています。
まったく予備知識がないひとでも理解ができるように、初対面のひとがみてもわかる範囲にとどめ、いちら価値があると思っても、深く、難しいことはあえて書かないことも注意しています。
商談ツール:自社の価値の事例

自社の姿勢を文章で伝えます。
販促ツールは、就職でいえば履歴書に当ります。姿勢は、だまっていては伝わりません。好印象を抱いてもらうために、自社の考えを文章にまとめることで少しは相手に伝わります。ひとによっては大いに理解されます。
この事例は、自社の価値を伝えることを目的に作成したものです。「努力して取組むこと」について「食べてみたくなる商品をつくる」「できそうにないことに、あえて挑む」「安心安全を守り、お客様の期待を裏切らない」とあたりまえのことを並べています。しかし、どの企業も有しているあたりまえも、言葉にしなければ伝わりません。
ひらめきで考えたものですが、同社の考えをうまくまとめることができました。もうひとつ、「絶対にやらないこと」もあるのですが、この両方を一読してもらえれば、かなり興味をもっていただけるはずです。 ツールひとつで、初対面でも会話が弾みます。あとで見返すと、どの企業にも通用するような内容ばりでした。何度読み返しても立派な企業に見えます。
ツールは、見せる相手によって複数用意する必要があります。例えば食品の場合、卸や商社に見せる場合、小売の場合、消費者の場合と、違う必要があることは理解してもらえると思います。
ツールを揃えるとき、まずは必要ツールのリストを作成します。そうすることで、何が揃っていて、何が足りていないのか、一目両全です。ツールがすべてではありませんが、短期間のうちにリストに基づいてツールを整備された企業は成果をあげています。
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